後藤茂之厚生労働相は22日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた新たな対策を発表した。経済活動と感染対策を両立するため、濃厚接触者の自宅などでの待機期間を原則7日間から5日間に短縮する。さらに抗原検査キットで陰性を確認できれば接触翌日から3日目に待機を終えられるようにする。
足元の新規感染者数は過去最多ペースで推移している。濃厚接触者の待機期間を短くすることで医療・介護現場や企業の欠勤者が増えすぎないようにする。5日間に短縮する一方、7日間の間は検温などの体調管理を続けるよう求めた。
発熱外来に患者が殺到する事態を防ぐため、抗原検査キットを無料配布して自主検査を促す方針も示した。症状が軽く重症化リスクが低い患者を対象とする。陽性だった場合は、自治体の相談窓口などに自ら連絡する。相談窓口の医師が患者の情報を感染者情報共有システム「HER-SYS(ハーシス)」に入力する。
重症化リスクが低い患者はハーシスの入力項目を減らせるようにする。保健所業務の負担軽減につなげる。
コロナ病床を確保した医療機関などを財政支援する措置は7月末の期限を2カ月延長する。ワクチンの4回目接種の対象も医療従事者らに拡大する。
後藤氏は「社会経済活動をできる限り維持しながら保健医療体制の確保に万全をきすとともに、リスクのある高齢者を守ることに重点を置いた」と説明した。