ロイター通信は25日、北欧フィンランドとスウェーデンが5月に北大西洋条約機構(NATO)への申請を表明すると報じました。両国の大衆紙報道を引用した。報道が事実であれば、軍事的中立を掲げてきた両国が安全保障政策を見直す歴史的決断となりそうです。
ロイターが引用したフィンランドの大衆紙「イルタレフティ」などの報道によると、フィンランドとスウェーデンの首脳は5月16日の週に会談。首脳会談で両国の方向性をすり合わせた上で、NATOへの加盟を申請する計画を発表する方針だそうです。
ロシアと約1300キロの国境で接するフィンランドは東西冷戦期、米主導のNATOとソ連中心のワルシャワ条約機構のいずれにも属さず、中立を貫きました。ソ連崩壊後もロシアと緊張関係になるのを警戒してNATO加盟を避けてきたが、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、NATO条約第5条が定める「集団防衛」が必要不可欠とみる国民が増えました。
フィンランドのマリン首相は今月13日、NATOへの加盟申請について数週間以内に決定すると表明しています。同国の議会は20日、加盟の是非を巡る審議を開始し、与党を含む大半の政党が加盟を支持しているとみられています。
隣国フィンランドの動きを受け、軍事的中立を維持してきたスウェーデンも加盟申請について早急に判断する意向を示しています。
一方、ロシア側は両国のNATO加盟に強く反発。バルト海方面に核兵器を配備することを示唆しています。