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産業雇用安定助成金とは?

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産業雇用安定助成金はコロナ禍において、一時的な事業縮小によって雇用調整を余儀なくされている企業を支援する目的でつくられました。そのため対象の従業員は出向期間後、元の事業所に戻ることが前提となっています。また令和3年8月1日以降に関しては、子会社への出向も対象になりました。雇用を維持するために在籍型出向を行う場合に、出向元・出向先の双方の事業者に対して支給される助成金です。

従業員を送り出す企業・受け入れる企業双方の事業主は、以下の助成を受けることができます。

【出向運営経費】
賃金や教育訓練及び労務管理に関する調整経費などの出向中に要する経費の一部を助成

上限額:出向元・出向先の合計で従業員1人につき1日あたり12000円
補助率:出向元が労働者の解雇などを行っていない場合 9/10(中小)、3/4(中小以外)
※出向元が労働者の解雇などを行っている場合は4/5(中小)、2/3(中小以外)

【出向初期経費】
就業規則や出向契約書の整備費用、出向に際して行う教育訓練、対象従業員を受け入れるための機器や備品の整備などの設置に関する費用を助成

助成額は出向元・出向先で従業員1人につき各10万円 (定額) 。ただし、各5万円の助成額の加算が受けられる場合があります。

■在籍型出向のメリット
【出向元企業】
労働意欲の維持・向上、能力開発効果

【出向先企業】
自社従業員の業務負担軽減、即戦力の確保

【出向した従業員】
能力開発・キャリアアップ、雇用の維持

出向元の企業ではこれまで育ててきた労働力を失わずに済むだけでなく、従業員の労働意欲や能力開発が期待できることは大きなメリットです。一方で出向先企業にとっても、即戦力となる人員に業務を分担できることで、自社の従業員の働き方を見直す機会にもなります。

■産業雇用安定助成金の活用事例
飲食店 (調理・接客) → 倉庫業 (物流センターの構内作業)の場合
…出向期間90日・出向労働者29名

出向を行って良かったこと、として「出向元企業」からはコロナ禍による休業の長期化で従業員のモチベーションが低下することへの不安が軽減されたことが言及されています。また「出向先企業」からは出向の活用によって人手不足が解消され、以前と比べ深夜残業等の減少につながった、自社従業員の負担が軽減されて働きやすい環境が整うことで自社従業員の職場定着にも役立つ、などの声がありました。

企業の規模または業種に関わらず、従業員の横断的な雇用の繋がりや人脈は、企業にとっても大きな財産となります。産業雇用安定助成金を活用した在籍型出向は、従業員の雇用の維持と企業的発展の両立に悩む事業主にこそ検討してほしい取り組みといえます。