新型コロナウイルス対応の水際対策が7日緩和されます。
日本入国の際に求められた陰性証明をワクチンの3回目接種証明で代替できるようになる、パッケージツアーに限定
していた観光目的の入国は義務付けていた添乗員の同行がなくても可能となります。
航空業界では早くも国際線の予約件数が増加するなど期待が高まる一方、訪日外国人観光客の動向は現時点で鈍く、さらなる緩和を求める声も上がる。
「水際対策の緩和が発表されてから国際線の予約が全方位的に伸びている。特に帰国時のPCR検査が不要となったことがトリガーになり、日本から海外に出る需要が増えた」
これまでは出国前72時間以内の検査での陰性証明が必要であったが不要となり、政府発表による8月24日の緩和発表後の25~31日の国際線発着便の予約件数は、発表前の11~18日と比べて9月分が1・6倍、10月分は2・3倍に急増した。
関西国際空港などを拠点とする格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションは、国際線では昨年以来となる同空港-ソウル間の運航を8月28日に再開。以前は韓国人観光客らの来日需要で全体の7割を占めていたが、便によっては女性客をはじめ日本人が8割と逆転しているという。 10月末には羽田-ソウル間の運航も再開予定で、今回の水際対策緩和について「追い風になっている。予約が入るペースも数件ずつでなく一気に入るレベル」(広報担当者)と喜ぶ。
一方、外国人観光客の入国をめぐっては、添乗員なしのパッケージツアーでも今月7日から可能となる。出入国や宿泊の場所と日時以外は事実上縛りがなくなり、観光庁は自由度の高さで外国人観光客のニーズに応えたと強調する。
だが、日航の広報担当者は依然として入国時の査証(ビザ)取得が義務付けられていることを挙げ、「ビザの緩和がないと(需要回復は)厳しい」と漏らす。
旅行大手の日本旅行の広報担当者は「(今回の緩和で)日本を旅行先に選んでもらいやすくなるが、やはり添乗員の同行なしとはいえ、しばりのない個人旅行を解禁した方が期待が持てる」と語った