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無印店舗ではあまり目立たなかった「泡立てネット」 なぜローソンで売れた?

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無印店舗ではあまり目立たなかった「泡立てネット」 なぜローソンで売れた?

 ローソンは5月から、ローソン店舗での無印良品(以下、無印)商品の販売を順次開始している。2020年6月から実施していた実証実験では、無印の定番商品「不揃い(ふぞろい)バウム」やレトルトカレーのほかに、無印店舗ではあまり目立たなかった“意外な”商品の販売も好調だったという。ローソンの営業推進部の木下剛部長に、無印の商品を販売する狙いや売れ行きを聞いた。


ローソンで無印の商品を販売する狙い

 そもそもなぜ、ローソン店舗で無印の商品を販売したのだろうか。木下部長は「ローソンで無印の商品を展開することで、コンビニを生活用品の新たな買い場として確立していく狙いがある」と話す。

  「ローソンは、地域社会の暮らしに新しい便利をお届けできる『マチのほっとステーション』を掲げ、365日ローソンに行けば何でもそろう、ワンストップストアの実現を目指しています。これまでコンビニエンスストアの日用品需要は、外出先で洗顔料を忘れてしまった、しょうゆを買い忘れてしまったなどの『緊急購買』が中心でした。今回無印を販売することによって、日用品需要を『日常購買』へと変化させたいと考えています。無印は根強いファンが多く、たくさんの人に愛されているブランドです。無印のブランド力を借りて新規顧客を獲得すると同時に、身近なコンビニで無印を楽しめる点を訴求し、ローソンを日用品の買い場として確立していきます」(木下部長)

  ローソンでは現在「不揃いバウム」などを含むお菓子類、レトルトカレーなどの加工食品、ボールペンやノートなどの文具、筆記関連、化粧品、衣料品(靴下)など約200アイテムを販売。利用者のニーズを踏まえながら、生活必需品を中心に取扱商品を選定している。価格は、無印とローソン店舗で基本的に同一価格としている。


売れ筋商品は?

 20年6月に試験的に販売を開始した店舗では、無印アイテムを展開する商品カテゴリーの売り上げが導入前比較で約2割伸びたという。食品では「無印不揃いバナナバウム」「無印素材を生かしたキャラメルポップコーン」などの菓子や、「無印素材生かしたカレー グリーン」「無印素材生かしたカレー バターチキン」などの加工食品が人気だという。また、女性を中心に、「無印化粧水 敏感肌用(大容量)」「無印マイルドジェルクレンジング(大容量)」「無印導入化粧液(大容量)」などの化粧品が人気だ。

  「郊外の店舗では、学生や若者を中心にボールペン、ノートなどの文房具などが好評です。郊外ですと、近くに無印がない場合もあるので、ローソンでの販売をきっかけに購入してくださるケースも多いようです」(木下部長)

  木下部長は、店舗によってはリピートして購入する人や、複数の加工食品をまとめ買いする人がおり、ローソンで日用品を“日常購買”する人が増えてきたという実感があると語った。

また、無印ではあまり目立つことがなかった商品がローソン店舗ではヒットしているケースもあるという。 

 「ローソンでは『泡立てネット』の売れ行きが予想外に好調です。良品計画の方からも『こんなに売れると思っていませんでした。生産が間に合いません』というお声をいただくほど。これは、売り場が狭く、商品との接触率が高いことや、お客さまが普段無印で定期的に買い替えていたものを、身近なローソンで購入してくださっていることが要因だと考えています」(木下部長)


2023年中にほぼ全店導入へ

 現在、東京都、栃木県、群馬県、埼玉県、茨城県、千葉県、神奈川県、長野県、山梨県、新潟県の約2700店舗で無印を展開している。無印の展開カテゴリーは前年及び計画を上回る売り上げで推移しているという。木下部長は「無印を購入する利用者は買い合わせも多く、客単価は1000円を超える」と話す。

 利用者からも「これまで遠方の駅まで行く必要があったが、身近なローソンで無印を購入できるようになってとてもうれしい」といった声があがるなど、好評だという。

 木下部長は、「今後は良品計画とローソンで共同開発したPB商品も視野に入れており、コンビニならではの手軽さを追求した商品を生み出したい」と意気込む。同社は、22年5月からの約半年間で関東甲信越地区の約5000店舗に無印の展開を予定。その後全国拡大し、23年中にほぼ全店となる約1万4000店への導入を目指す。